初めての畳替え

1 畳の構造

畳は大きく分けて、『畳床』『畳表』『畳縁』の3つの材料から出来ています。畳床に畳表を被せて張って縫い留めて、長辺に畳縁を縫い付けたのが畳です。

 

1-1 畳床

 畳床は普段は隠れて見えませんが畳において最も重要な役目を果たしている材料です。現在畳床には大きく分けて、下記の3種類あります。

  • わら床」   わら100%の昔からある畳床です。
  • 建材床」   わらを全く使用していない畳床です。
  • わらサンド床」わらとわらの間に発泡スチロールの様な断熱材をサンドイッチした        畳床です。

どれも踏み心地、耐久年数、特徴、お値段が異なります。ご予算、使用頻度、目的に合わせてご提案させて頂きます。

                

1-2 畳表

畳表とは、農家の方が育てたイ草を綿や麻の経糸を使って織り上げた畳の主役です。イメージはパタパタやる織物の機織り機を想像して下さい。

畳表には他の農産物と同じように様々な産地、品種、種類があります。また、1枚の畳表に使用されるイ草の本数も等級によって約3000本~7000本以上とかなりの幅があります。それに伴いお値段もピンからキリまでかなりの差があります。単純にお値段が上がるほど美しさと耐久性が上がっていくと考えて下さい。お見積り時に畳表の見本(6~8種類)を持っていくので実際に見たり触れたりして下さい。ご予算、使用頻度、目的に合わせてご提案させて頂きます。各畳表の説明は”価格表”ご覧下さい。

 

1-3 畳縁

畳縁とは畳の両脇に付いている布のことです。素材は主に「化繊」又は「綿」。あまり目にすることはありませんが「絹」「麻」で出来た畳縁もあります。昔は身分によって使う畳縁が決められていましたが、現在は当然そんなことはありません。ちなみにお内裏さまとお雛さまが座っている畳の畳縁が最高ランクになります。畳縁には何百もの種類があり、現在もその数は増え続けています。その中から当店では、定番の柄から遊び心あふれる柄まで数十種類を厳選しました。普段はあまり気に留めない畳縁ですが、どの柄を選ぶかでお部屋の印象もガラリと変わります。お見積り時に見本を持って行きますのでゆっくり選んで下さい。

 

2 畳替え

畳替えには大きく分けて、『裏返し』『表替え』『新畳』の3つがあります。それぞれ替える物、値段が異なります。

作業中は畳が無くなるので、床板の掃除、風通し、点検等ができ、家の保全やシロアリの予防・早期発見にも繋がります。またお部屋のお荷物を全て移動するのでこれを機に大きな家具の整理、模様替えも出来ます。

2-1 裏返し

裏返しは畳表を剥がしてひっくり返し、また縫い付けます。つまり、今使って頂いている畳表の裏側を使います。その際、畳縁は新しい物と交換し、畳床の凸凹と隙間等を直します。

  • 表替え等と比べて安い値段でまた青い畳が楽しめる。
  • 畳縁を替えてお部屋の印象を変えることが出来る。
  • 畳表は新しくならないのでイ草の香りはしません。
  • 裏返すと汁物等をこぼしていた場合は跡が出てくる。
  • 畳表が破れてしまっている、畳に大きな切り欠きがある等の場合は裏返しが出来ない事があります。

裏返しは表替え、新畳から3~5年が理想です。早ければ早いほど畳に青みとしなやかさがあります。あまりに年月が経ってしまうと青みも失われイ草も枯れてしまいます。

 

2-2 表替え

表替えは古い畳表と畳縁を剥がして、新しい畳表と畳縁を縫い付けます。またその際、畳の凸凹や隙間等を直します。

  • 畳表を新しくすることでお部屋が下から明るくなり、違う部屋かの様に生まれ変わります。
  • 新しい畳の香りがします。
  • 畳床の状態によっては新畳をお勧めする場合もあります。
  • 畳床が大丈夫な限りは表替えは何度でも可能です。

表替えは前回の畳替えから5~10年が理想ではありますが、よく日に焼けてきた、ささくれが出てきた、人寄せがある等畳が気になってきた時が替え時だと思います。

 

2-3 新畳

新畳は古い畳を処分して、全て新しい材料で作った新しい畳を納めます。畳の凸凹が気になる、畳がブカブカするなど違和感を感じて来たら新畳にする目安です。畳の寿命は使用した畳床、お部屋の使用状況、お部屋の環境(湿気など)などに左右されますが、10数年でダメになる畳もあれば50年以上大丈夫な畳もあります。

 

2-4 畳替えのサイクル(例)

・例1 新畳裏返し表替え裏返し表替え……→…

・例2 新畳表替え表替え表替え表替え新畳→…

・例3 新畳新畳新畳表替え裏返し新畳→…

3つ例を書きましたが、畳替えのサイクルはどういう順番でしても自由です。ただし、畳床、畳表の状態によては限定されてしまう事もあります。

 

3 畳の種類

当店で取り扱っている畳には大きく分けて『縁付き畳』と『縁無し畳』があります。同じ畳の様でも、全く異なる畳です。

 

3-1 縁付き畳

皆さんがよく目にする両端に畳縁が付いている普通の畳です。ここでは次の『縁無し畳』と区別する為にあえて『縁付き畳』という名称を付けました。

 

3-2 縁無し畳

その名の通り、畳縁の無い畳です。よく、琉球畳とも言われる事がありますが、縁無し畳=琉球畳ではありません。琉球畳とは琉球表と言う特殊な畳表を使った畳の事を言い、縁無し畳も縁付き畳もあります。一般的には半帖を交互に市松模様になるように敷きます。当然1帖の縁無し畳も出来ます。

 

以上、何かわかりにくい事、ご質問等ございましたらお気軽にお問合わせ下さい。

次は”畳替えの流れ”をご覧下さい。